2010年11月23日火曜日

川田修『かばんはハンカチの上に置きなさいートップ営業がやっている小さなルール』ダイヤモンド社、2009年(Audio)

生命保険のトップセールスマンが、自らの経験を記した著書。
回り道に見えても、「他の人とちょっと違うこと」を「少しずつ」積み重ねることによって、結果が出てくる。
一見、小手先のスキル・マナー集にも読める内容ですが、一つ一つの取り組みを支える「考え方」には共通点が多く、参考になる。

今回は、オーディオブックで聞いてみました。

Iyokiyehaの仕事は、人にモノやサービスを「売る」わけではないけれども、別の形で結果が出てくる仕事です。それは、リピーターとしてであったり、困ったときに気軽に頼ってくれたり。数値として表現されるものだけではないけれども、様々な形でレスポンスがあります。
「対人」の仕事で、自らのサービスを相手にメリットができるように説明し、希望があれば依頼をしてもらう。随時ニーズを追いつつ、個別ニーズに沿って微調整を加えていく。
そうしたスキルを支える、接遇マナーには、基本的なものが社会人1年目でたたき込まれるわけですが、その基本に「相手のことを考え」「一工夫する」ことで、クライアントからの信頼感に「掛け算」するかのような効果があるようなイメージのように思われます。
これができている、こうしているから、「○ポイント」みたいなものではなく、当たり前のことで「○ポイント」+一工夫で「×○○=合計○○ポイント」みたいな。
「10のところを、11やってみる」という著者の言葉にも象徴されていますが、他の人とちょっと違う、ことが大切ですが、その「違い」はあくまで目の前の人に寄り添うことが根底にあるということが大切です。動機は何でもいいですが、この点が、様々に紹介されている本著のポイントだと思いました。
そんな「かける数」を高めるためのちょっとした工夫が満載の一冊です。

読ませるポイントが随所に散らばっている内容で、非常に読みやすい書きぶりですので、実際に手にとったり聞いてみたりしてみてほしいところですが、意外だなと思ったところは、「若いうちの働く動機は、お金でも何でもいい」というくだり。
働くことに関する仕事をしているIyokiyehaですが、全く同感ですし、未だIyokiyehaの働く理由にはペイ(給料)が存在しています。それを打ち消そうとも思わないし、人に押しつけようとも思っていないので、それをクリアに表現しているこの箇所は、印象に残っています。


おすすめ度:★★★★☆
(仕事をしている人にはおすすめ。人相手の仕事であれば、なおおすすめ)