2010年5月4日火曜日

岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』ダイヤモンド社、2009年。

最近書店で平積みになっている本です。
表紙の女の子(主人公の川島みなみ)のイラストが、目を引きつつも手に取ることを少しだけ躊躇させるのですが、内容は非常に面白い小説です。
ドラッカーの『マネジメント』をモチーフに、組織を運営する(manage)するとはどういうことか。ドラッカーの言う「マネジメント」を、ごくごく身近な集団に置き換えたら、どういうことになるのか。
このことを、高校野球のマネージャーの取り組みとして描いている。
小説ばりの「ありえん!」と思わずつっこみを入れたくなる箇所も少なくないけれども、ドラッカー入門書としてはとてもよくできている内容のように思う。
Iyokiyehaは、組織で生きている人間であるので、ドラッカーの論調というのは以前から気になっていた。
ただ、頭のどこかで「会社の経営陣が読むもの」と思っていたところがあったり、普段は自分の仕事に関する専門的な書籍を読み進めてしまうために、どうしても優先順位が下がってしまっていた。
読み応えもありそうですし。
そこにきて、軽く読める小説として本著が出版されていたわけですが、どんなものかとしばらく静観していました。
『週刊 ダイヤモンド』の特集や、上野駅の本屋さんで「40万部突破!」と書かれているのを見たりして、「ちょっとすごいかも」と思い、ゴールデンウィークを期に一気に読んでみました。
2時間くらいで読める内容なのに、『マネジメント』の引用も多く、人を動かすというところにまで考えが広がり、発想の広がりも感じられるように思う。
さっそく、ドラッカーの『マネジメント』も購入してみました。
じっくり読み進めていこうと思います。